島嶼・大島
吉谷神社
東京都重要文化財
薬師堂 木像七躯

吉谷神社の境外末社である薬師堂内から昭和32年に三十余の仏像が発見された。このうち観世音菩薩立像、地蔵菩薩立像、四天王立像、兜跋(とばつ)毘沙門天立像の七躯は平安時代後期の作とされ東京都の重要文化財に指定された。いずれも檜一木造り。保存状態があまり良くなく、これ以上の破損を避けるため現在は大島町郷土資料館で保存展示されている。
かつては薬師堂内に薬師如来像とおびんずる像(十六羅漢の筆頭で眼病に効験があるとされる)とともに安置されており、島内各村の氏子氏神の枠組みを越えて全島民から尊崇されていた。
かつては薬師堂内に薬師如来像とおびんずる像(十六羅漢の筆頭で眼病に効験があるとされる)とともに安置されており、島内各村の氏子氏神の枠組みを越えて全島民から尊崇されていた。
吉谷神社について

御創建は韮山代官所への差出帳によれば、第6代孝安天皇の御代に御鎮座とある。吉谷神社の名前が記録に出てくるのは、寛永18年(1641)、当時の社殿造営の際の棟札に「奉修造吉谷大明神守護所」とあるのが初見。
大島は三原山が太古から噴火を繰り返しており、これを鎮めるために建てた遥拝所が起源と思われる。御祭神は大山祇尊とされるが、これは三原大明神と同一視されたものである。
大島は三原山が太古から噴火を繰り返しており、これを鎮めるために建てた遥拝所が起源と思われる。御祭神は大山祇尊とされるが、これは三原大明神と同一視されたものである。
【鎮座地】東京都大島町元町4-2-9
(令和6年4月寄稿)