ご社宝めぐり

大田区
雪ヶ谷八幡神社
横綱大鵬出世石
 日本の高度経済成長期の流行語「巨人・大鵬・卵焼き」。その大鵬関がまだ納谷と呼ばれていた序二段の頃より当社によく足を運び、境内で氏子の子供達に相撲の稽古をつけていた。以来、当神社節分祭には年男として毎年参加し続け、そして異例の出世をとげ、文字通り「心」、「技」、「体」の三位一体を兼ね備えた「不世出の大横綱」と称えられた。
 横綱大鵬幸喜は「これは雪ヶ谷八幡神社の御加護の賜物である」と感謝し、当神社に『出世石』とかいた書を奉納。それを昭和41年4月、氏子の人々が石に刻み『出世石』を造った。書とともに刻まれた「手形」は、大鵬関にあやかり開運出世を願い、手を重ね合わせる参拝者も多く見られる。
雪ヶ谷八幡神社について
 雪ヶ谷八幡神社の創建は永禄年中(1558~1569)。北条左京太夫氏康の家臣、太田新六郎が管内巡視の際、当所において法華経曼荼羅の古碑を発掘し、その奇瑞に八幡大菩薩を祀ったのが創始とされ、爾来、旧中原街道沿道髄一の由緒深き神社として雪ヶ谷に鎮守し、崇敬を集め今に至る。境内には氏子崇敬者の祖霊を祀る齋霊殿、稲荷社や天神社などの末社八社、大田区文化財指定庚申供養塔群、出世石などがあり、鎮守の杜は四季折々人々の憩いの場として親しまれている。
【鎮座地】東京都大田区東雪谷2-25-1
(令和5年12月寄稿)