ご社宝めぐり

江東区
亀戸天神社
区指定有形文化財
塩原太助(しおばらたすけ)奉納 石造燈籠
 塩原太助(1743〜1816)は、本所相生町(現在の両国付近)で薪炭商を営み、裸一貫から辛苦を重ね一代で富を築いた。その豊富な私財を道路の改修や土木工事など庶民の為に投じたことから義人として語り継がれ、「本所に過ぎたるものが二つあり、津軽屋敷に炭屋塩原」と歌に詠われた。
 天明元年(1781)、氏神である亀戸天神社に石燈籠一対を奉納し、今では境内の御嶽神社入口にその内の一基が残っている。
 神社に対する信仰を窺い知ることのできる貴重な史料であり、昭和56年に区指定の有形文化財にも登録された。
亀戸天神社について
 寛文2年(1662)10月25日、太宰府天満宮の神職で道真公の子孫の菅原大鳥居信祐公が太宰府天満宮より勧請。地形をはじめ社殿や楼門、太鼓橋などを同宮にならって造営し、東宰府天満宮、亀戸宰府天満宮とも称され、広く信仰を集めた。また、行楽の名勝地としても著名。旧准勅祭社・東京府社。
【鎮座地】東京都江東区亀戸3-6-1
(令和4年4月寄稿)