ご社宝めぐり

世田谷区
北澤八幡神社【北澤八幡宮】
御神刀
 全長は69.8センチ。茎(なかご)に「韴霊(ふつのみたま)大刀模造明治四五年二月日」と「帝室技芸員菅原包則(かねのり)八十三歳作」の銘文が彫られている。これは明治7年に石上神宮の禁足地から出土されたものの複製で、大正3年におこなわれた大正天皇即位の大礼を記念して献上されたものの予備刀として作られたといわれる。戦前から戦中にかけて氏子から奉納されたもの。柄の先端に素環頭(そかんとう)という輪があり、刀身は内側に反っていて、角棟平造りで古代の形をよく残している。菅原(宮本)包則は天保元年、鳥取生まれの刀工で、明治22年の神宮遷宮に際して神宝太刀を作刀している。
 平成31年3月16日まで國學院大學博物館の特別展に出展されていた。
北澤八幡神社【北澤八幡宮】について
 文明年間(1469~87)世田谷城主吉良頼康の勧請により創建されたと伝わる。江戸時代歴代地頭の尊信厚く、慶安3年(1650)時の知行斎藤摂津守の八幡宮領7石4升は、前と同じに寄進することの黒印状があったが、別当寺の火災により焼失した。
【鎮座地】東京都世田谷区代沢3-25-3
(平成31年2月寄稿)