小平市
熊野宮 【一本榎神社】
市指定文化財
武蔵野乃一本榎
往時当宮が鎮座するこの一帯は「逃水(にげみず)の里」と称され、水の便が非常に悪い場所で、往還する人馬にとって寒暑や飲み水の確保に難渋した地域だったようである。そのような原野の中に一本の榎の巨木が聳え立っていた。これが「武蔵野の一本榎」と呼ばれていて、道行く人々の良き目印になっていたと伝えられている。宝永年間(1704─11)の「一本榎」はすでに樹齢数百年を経た大樹であったが、寛保年間(1741─44)に枯木となった。二代目の榎も目通り七尺の大樹であったが、大正3年9月の暴風雨により倒潰し、現在本殿裏に繁っている「一本榎」は孫木である。
熊野宮 【一本榎神社】について
当宮は、延喜式内社阿豆佐味天神社の摂社として奉斎されていたものを、武蔵野の新田開拓に先立って、宝永元年(1704)榎の大樹のもとに祠を建立したのが縁起である。
【鎮座地】東京都小平市仲町361
(平成27年9月寄稿)
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