ご社宝めぐり

新宿区
皆中稲荷(かいちゅういなり)神社
明治天皇御製碑
明治天皇御製
まがねしく道のひらけてつつじ見に
ゆく人おほし大久保の里

 右の御製を謹刻した碑で、明治神宮・甘露寺受長宮司の書。鳥居近くの参道横にある。
 明治32年(1899)の御製で、「まがねしく道」は、鉄道のこと。明治時代に付近に鉄道が敷かれたことにより、大久保がつつじ鑑賞の名所になったことをお詠みになられたと拝察される。
 本年10月、日本に鉄道が初めて明治5年(1872)に敷設されてから百五十周年を迎えた。
 打越孝明氏『明治天皇の聖蹟を歩く[東日本編]』(角川書店、令和4年)など参照。
皆中稲荷(かいちゅういなり)神社について
 天文2年(1533)9月27日、稲荷之大神を奉斎以来、この土地の総社として鎮祭される。寛永年間(1624~1644)、徳川幕府が「鉄炮組百人隊」を同地に駐屯させ、同隊の者から鉄砲が百発百中的中する霊験あらたかな稲荷として厚く信仰され、「皆中の稲荷」と称されるようになったという。
【鎮座地】東京都新宿区百人町1-11-16
(令和4年11月寄稿)