ご社宝めぐり

杉並区
八幡神社
区指定有形文化財(彫刻)
延宝七年銘 石造狛犬
 八幡神社本殿内に奉安されている安山岩の石造狛犬一対。高さ26センチメートル、幅26.5センチメートルの非常に小型の狛犬で片手でも持つことができる。年に一度、大祭日に一般公開される。
 背から尾にかけて、「延宝七未年九月日八幡宮 荻久保村」と刻まれている。延宝7年(1679)は、霊元天皇の御代で、幕府は四代将軍・家綱の時代。杉並区内現存最古の狛犬である。
 同社の修復と関連して、社殿守護のために奉納されたと推測されている。
 昭和59年3月31日に区指定有形文化財(彫刻)となった。
(杉並区設置の標柱解説参照)
八幡神社について
 荻窪八幡神社の社名で親しまれている。平安時代の寛平年間(889~898年)の創祀とされる。鎮守府将軍の源頼義、江戸城を築いた太田道灌らが戦勝を祈願し、社殿の修復や献木をおこなった。道灌が奉納した槇は、道灌槇として現存する。現在の本殿は明治28年、拝殿は昭和11年に造営された。
【鎮座地】東京都杉並区上荻4-19-2
(令和4年3月寄稿)