日本人は、初詣をはじめ、ことあるごとに氏神さまにお参りをしてきました。
 古い時代、氏神さまとは血縁関係にある氏族が共通におまつりする神さまのことで、その氏族の祖先神であったり、氏族にかかわりの深い神さまであったりしました。
 祖先神としては、中臣氏(なかとみし)が天児屋命(あめのこやねのみこと)を、忌部氏(いんべし)が天布刀玉命(あめのふとたまのみこと)をおまつりしています。祖先神以外では、物部氏(もののべし)が神剣に象徴される布都御魂(ふつのみたま)を、さらに奈良時代になると、藤原氏が鹿島や香取、春日の神さまなどを、氏神さまとして信仰するようになりました。
 時代が下ると、その地域の土地をお守りする産土神(うぶすながみ)や鎮守(ちんじゅ)さまとのはっきりした区別がなくなり、これらの神さまを合わせて氏神さまとしておまつりすることが多くなっています。
 氏神さまに対し、その氏神さまを信仰している人々を氏子(うじこ)といいます。氏子は人生儀礼などの際に氏神さまをお参りし、健やかで幸せに暮らせるよう祈願します。
 古い時代の氏子とは、血縁関係にある一族のことを指していましたが、その氏族の土地に暮らし、氏族と一体となって暮らしを営んでいる人々も含めて氏子と称するようになりました。