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参拝の作法

神社参拝の作法を、わかりやすくご説明しています。
神社参拝のかたち

 日本の長い歴史の中で大切に守られてきた神社。鳥居をくぐり、参道を進むと社殿が見えてきます。社殿の前に立つと神さまの存在が一層身近に感じられます。そして神さまに日頃の感謝や願いをお伝えする…。
 私たちのおじいさんおばあさんも、そのまた、おじいさんおばあさんもお参りをして、家族の幸せを祈り、神さまの恵みをいただいてきました。
 昨今、神社にお参りをするとき、「できるだけ丁寧にお参りをしたい」、「どのような作法でお参りしたらよいか」というお問い合わせを皆様からいただきます。ところが、私たちが神社にお参りする際の作法には厳格なきまりはありません。敬意の表し方は人それぞれですし、参拝の作法も神社や地域によって特色があります。
 しかし、思いが真剣であればあるほど、丁寧な作法を心掛けたいと思うのは至極当然なこと。そこで、一般的な礼拝作法やマナーをとりあげて、出来るだけわかりやすくまとめました。
 神社参拝の際、皆様の心の表し方としてお役に立てれば幸いです。

神社参拝に際して

服装について

 服装は、その時々の心の表れともいわれます。あらたまった場での服装には今日でも特に気をつかいます。神社の神職は神さまに対するとき、目上の方に接するように正装します。ですから私たちも、神社参拝の際には極力服装をただすよう心がけてはいかかでしょうか。
 特に社殿の中などの特別な場所で参拝される際、男性はスーツにネクタイ着用、女性も同等の服装を必要とされることもあります。旅先では、軽装になりがちですが、特別な場所での参拝を予定されている場合は、相応の服装を準備するとよいでしょう。

鳥居のくぐり方

 神社の鳥居には、一般社会と神域を区切る結界のような意味があるともいわれています。目上の方のお宅を訪問するような気持ちで、一礼してからくぐるのが丁寧なくぐり方とされています。また、参拝を終え、境内を出る際も社殿の方に向き直って一礼するとよいでしょう。

参道の歩き方

 神社参拝の際、参道の中央を避けて進むのは敬意の表れの1つといえます。また、参道の中央を横切る際に、軽く頭を下げながら通ったり、中央で神前に向き直って一礼してから横切るという敬意の表し方もあります。

神社参拝の作法

1入口の鳥居をくぐる前に会釈をし、気持ちを引き締めてから境内に入ります。
2手水舎の水で心身を清めます。このことを「手水をとる」といいます。
手水の仕方(ひしゃくの場合)
① あらかじめハンカチを用意しておき、浅く一礼をして手水を始めます。
② 右手でひしゃくの柄(え)を持ち、水をすくいます。まず左手を洗い、次に柄を左手に持ち替え、右手を洗います。
③ 次にもう一度、柄を右手で持ち、左手に水をためて、その水で口をすすぎます。
④ 今一度、左手を洗い、ひしゃくを両手で静かに立てて柄の部分を水で流し、ひしゃくを元の位置に戻します。
⑤ ハンカチで口と手をふいて、最後に浅く一礼して手水を終えます。
手水の仕方(流水の場合)
① あらかじめハンカチを用意しておき、浅く一礼をして手水を始めます。
② まず両手を洗います。次に両手に水をためて、その水で口をすすぎます。
③ 今一度、両手を洗います。
④ ハンカチで口と手をふいて、最後に浅く一礼して手水を終えます。
3参道を通ってご神前へ進みます。
4賽銭箱の前に立ったら会釈をし、神さまに捧げる真心のしるしとして、賽銭箱にお賽銭を入れます。
5二拝二拍手一拝の作法で拝礼し、会釈をしてから退きます。
拝礼の仕方
① 深いお辞儀(礼)を二回繰り返します。[ 二拝 ]
② 次に両手を胸の高さで合わせ、右手を少し手前に引き、肩幅程度に両手を開いて拍手を二回打ちます。[ 二拍手 ]
③ そのあとに両手をきちんと合わせながら心を込めて祈ります。
④ 両手をおろし、最後にもう一度深いお辞儀(礼)をします。[ 一拝 ]
撮影の協力:馬橋稲荷神社 天沼八幡神社