生命の言葉

度会延佳
神道は日用の間(ま)にあり
神道は特殊な道ではなく、毎日の行為が神のみ心にかなっているかどうかを反省し、精進する以外にない。

慶安三年(一六五〇)著『陽復記』の一節。また、同人著『太宮神道或間』(寛文六年著一六六六年)には、「日本国に生まれたる人は、心に得て、身に行はでは叶はざる道……日用の間、神道ならざという事なし」とあるのも同義である。
『神道百言』より
度会延佳 (わたらい のぶよし)
元和元年(一六一五)〜元禄三年(一六九〇)。
江戸中期の伊勢神宮の神道学者。初め延良、後に延佳と改めた。号は愚太夫・直庵と号した。この二つの号をまとめると「愚直」で、延佳は人から「馬鹿正直」といわれても、まことしやかな人間になるよりはましとして一生正直の二字を守り通したという。豊受大神宮の権禰宜に補し、元禄三年に歿した。享年は七十六。